呼吸をする時にヒューヒュー、ゼーゼーといった音がして、呼吸が苦しくなることを繰り返す病気です。こどもの10人に1人は気管支ぜんそくと言われています。気管支ぜんそくには軽いものから重いものまで程度の差がありますので、発作の回数や強さによって重症度を見極め、治療を組み立てて行きます。現在は気管支ぜんそく治療のガイドラインがあり、重症度に見合った薬剤を使用することによって発作をコントロールし、最終的には快方を目指すことができるようになってきました。
主に使われる薬剤は、抗アレルギー薬、吸入ステロイドですが、使用法も改善されました。内服薬は内服回数を1日に2回でも1回でも生活習慣によって選択ができ、吸入ステロイドも大きい子には時間をかけずに吸入できるエアゾール、パウダーの吸入薬が、小さい子にはモーターで吸入する吸入液が選択できます。
また吸入器も性能のよい小型のものが購入できるようになりました。
長期間使用する薬剤ですが、データの蓄積により、副作用の起こらない使用量も分かってきました。
このように薬剤でぜんそく発作をコントロールすることができるようになりましたので、2年3年とぜんそく発作が起きなければ、気道過敏性が改善され、快方の道が開かれます。
内服や吸入を続けることは大変なことですが、薬剤の使用を忘れずに、また吸入薬は十分量が気管支に達するよう丁寧な吸入を心掛けことが大切です。
気管支ぜんそくを起こす本態は気管支が敏感になっていることですから、この気管支の敏感さを改善するためには、薬剤の使用だけなく、生活環境を整えることも大切です。
発作がコントロールされている場合でも、幼稚園や学校生活のさまざまな場面で、発作が起きてくる可能性があるからです。花火大会、宿泊を伴う校外学習、運動のさいに一時的に呼吸が苦しくなる運動誘発ぜんそくなどです。
したがって、以下のようなことが大切になります。
- アレルゲンやたばこなどの気道刺激物を取り除き、気管支が刺激を受けないような環境を整えること
- こどもにとって心や体の発達にとって必要な運動に楽しく楽しめるよう運動誘発ぜんそくについてその予防法や対処法を正しく理解し、実際に対処できるようしておくこと
- 運動誘発ぜんそくは運動により改善することが知られていますので、しっかりと運動に取り組むこと
- 手洗いうがいを励行してかぜをひかないようにすることや、偏食をなくし、栄養のバランスのよい食事を取ることによって体内環境と整えること
- 幼稚園・学校の先生と十分に話し合い、病気について理解し、協力してもらい、友達との交流を深めて生活を活気あるものすること
- このようなさまざまなことについて、疑問点や問題点を整理し、かかりつけ医に指導を受け、快方に向けて家族で協力し実践すること